AWS認定 クラウドプラクティショナー(CLF-C02)のドメイン4(12%)で必ず問われるのが料金モデルです。配点は小さめですが出題は安定して多く、とくにリザーブドインスタンス(RI)とSavings Plans(セービングスプラン)の違いは受験者がいちばん混同するポイント。この記事では、EC2などのコンピュートをどう買うと安くなるかを早見表で整理し、あわせてデータ転送料金とストレージの料金階層まで図解します。前提となる考え方は クラウドの経済学(固定費と変動費) も参照してください。全体像は CLF対策トップ へ。

AWS料金の大原則:使った分だけ払う(従量課金)
AWSの基本は従量課金(Pay-as-you-go)。サーバーを何時間使ったか、ストレージに何GB置いたか、データをどれだけ送ったか——実際に使った分だけを後払いします。初期費用や長期契約は不要で、これが固定費から変動費への転換です。そのうえで、「長く使う」「まとめて約束する」ことで割引を受ける仕組みが用意されています。それがコンピュートの購入オプションです。
コンピュートの購入オプション早見表
EC2などのコンピュートには、次の購入オプションがあります。試験では「どの場面でどれを選ぶか」が問われます。まずは全体像を表で押さえましょう。
| 購入オプション | 割引 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| オンデマンド (都度払い) |
なし(定価) | 短期・使用量が読めない・開発検証。まず基準になる払い方 |
| リザーブドインスタンス (RI) |
大(最大72%程度) | 1年/3年ずっと使うと分かっている定常的なワークロード |
| Savings Plans | 大(最大72%程度) | 1年/3年の利用量は約束できるが、使うサービスや構成は変えたい |
| スポットインスタンス | 最大(最大90%程度) | 中断されても平気な処理(バッチ・検証・並列計算) |
| 専用ホスト / 専用インスタンス (Dedicated Hosts / Instances) |
割高 | 物理サーバーを占有したい。ライセンス条件やコンプラ要件がある場合 |
| キャパシティ予約 (Capacity Reservations) |
割引なし(枠の確保) | 特定AZで必要な台数を「確実に起動できる」よう確保したいとき |
ポイント:割引が大きいほど「約束」や「中断リスク」が増えるのが基本の考え方です。オンデマンドを基準に、定常利用ならRI/Savings Plansで割引、止まってもよい処理はスポットで最安、と使い分けます。
リザーブドインスタンス vs Savings Plans(ここが最頻出)
どちらも「1年または3年の利用をコミット(約束)する代わりに、最大72%ほど割引される」点は同じです。試験で問われるのは「何を約束するか」の違いです。

- リザーブドインスタンス(RI)=「使うインスタンスの種類」を予約する仕組み。リージョンやインスタンスファミリーなどを指定してコミットします。同一ファミリー内でのサイズ変更などに対応する柔軟性もあり、変更可能なコンバーティブルRIと、割引が大きい代わりに固定的なスタンダードRIがあります。
- Savings Plans=「1時間あたり◯ドル使う」という利用金額を約束する仕組み。約束した金額までは割引価格が自動的に適用されます。とくにCompute Savings Plansは、EC2だけでなくFargate・Lambdaにも、リージョンやインスタンスファミリーをまたいで柔軟に効くのが強みです(より割引が大きいEC2 Instance Savings Plansもあります)。
| 比較 | リザーブドインスタンス(RI) | Savings Plans |
|---|---|---|
| 約束するもの | 使うインスタンスの種類(ファミリー等) | 1時間あたりの利用金額 |
| 柔軟性 | やや低い(種類に紐づく) | 高い(構成を変えても割引が付いてくる) |
| 対象 | EC2、RDS など(サービス別のRI) | EC2・Fargate・Lambda(Compute型は横断) |
| 契約期間 / 割引 | 1年 or 3年 / 最大72%程度 | 1年 or 3年 / 最大72%程度 |
AWS Organizationsの一括請求(consolidated billing)を使うと、あるアカウントで使い切れなかったRIやSavings Plansの割引が、組織内の別アカウントの一致する利用にも自動で適用されます。割引をグループ全体で無駄なく活かせる、という点が問われます。
スポットインスタンス:最大90%オフ、ただし中断あり
スポットインスタンスは、AWSの空いている(余剰)キャパシティを最大90%ほどの大幅割引で使える仕組みです。そのぶん、AWS側が容量を必要とすると中断(停止・回収)される可能性があります。したがって「途中で止まっても後でやり直せる処理」——バッチ処理、大量の並列計算、CI/CD、検証環境などに向きます。逆に、止まると困る本番のWebサーバーなどには不向きです。
データ転送料金:INは無料、OUTは課金
見落としがちですが試験でも問われるのがデータ転送料金です。原則はシンプルで、AWSに入ってくるデータ(IN/受信)は無料、AWSからインターネットへ出ていくデータ(OUT/送信)は課金されます。

- データ転送 IN(インターネット→AWS):原則無料
- データ転送 OUT(AWS→インターネット):課金(毎月一定量の無料枠あり)
- リージョン間の転送:課金(距離が離れるほど発生)
- 同一リージョン内:同じAZ内のプライベートな通信は基本無料、AZをまたぐと少額の課金
覚え方:「入るのはタダ、出すとお金」。動画配信や大量ダウンロードのようにOUTが多いサービスは、この転送料金が効いてきます。
ストレージの料金階層:置き方で単価が変わる
ストレージも「どの階層に置くか」で単価が変わります。代表例のS3では、頻繁に使うデータは標準(Standard)、たまにしか使わないデータは低頻度アクセス(IA)、めったに出さない長期保管はGlacier系(アーカイブ)と、保管が安いほど取り出しに時間や費用がかかるのが基本です。ストレージの記事で扱ったライフサイクルポリシーで、古くなったデータを自動で安い階層へ移せば、コストを大きく下げられます。
確認クイズ
Q1. リザーブドインスタンス(RI)とSavings Plansの違いとして、最も適切なものはどれですか?
Q2. 夜間に動かすバッチ処理で、途中で中断されても最初からやり直せる。コストを最も抑えられる購入オプションは?
Q3. AWSのデータ転送料金について正しいものはどれですか?
Q4. AWS Organizationsの一括請求を使っている。あるアカウントで買ったリザーブドインスタンスの割引が使い切れなかった場合、どうなりますか?
よくある質問(FAQ)
Q. 結局、リザーブドインスタンスとSavings Plansはどちらを選べばいい?
A. 使うインスタンスの構成をこの先ずっと変えないなら、割引の大きいRI(スタンダードRI)が有利です。一方、使うサービスや構成を柔軟に変えたいなら、EC2・Fargate・Lambdaまで横断して割引が効くCompute Savings Plansが便利です。近年は柔軟性からSavings Plansが選ばれる場面が増えています。
Q. スポットインスタンスは本番環境で使ってはいけない?
A. 「使ってはいけない」ではなく中断されても困らない用途に限るのが原則です。バッチ処理や並列計算には最適ですが、止まると困る本番Webサーバーには不向きです。オンデマンドやRI/Savings Plansと組み合わせて使うのが定石です。
Q. データ転送料金を抑えるコツは?
A. 課金されるのは主にOUT(AWSから外部への送信)です。同一リージョン内で処理を完結させる、CloudFrontなどのキャッシュで同じデータの再送信を減らす、といった工夫でOUTを減らすとコストを抑えられます。詳しい料金はPricing Calculatorで事前見積もりできます。
まとめ
- AWSは従量課金が基本。長期利用やコミットで割引される
- コンピュートの買い方はオンデマンド/リザーブド/Savings Plans/スポット+専用系。割引が大きいほど「約束」や「中断リスク」が付く
- RI=「種類」を予約/Savings Plans=「利用金額」を約束(柔軟)。ここが最頻出
- データ転送はIN無料・OUT課金。ストレージは階層で単価が変わる(安い階層ほど取り出しに時間/費用)
- ➡ 出題範囲の全体像:CLF-C02シラバス完全マップ
- ➡ 関連:クラウドの経済学(固定費と変動費・TCO)
- ➡ 関連:コンピューティング(EC2・コンテナ・サーバーレスの使い分け)
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※本記事はAWS公式試験ガイド(CLF-C02)および各サービスの公開ドキュメントに基づき、エンジニアKが作成しています。料金・仕様は更新されることがあるため、最新は必ずAWS公式でご確認ください。本サイトはAmazon Web Services, Inc.の公式サイトではありません。AWSは同社の商標です。



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