AWS認定 クラウドプラクティショナー(CLF-C02)のドメイン1(クラウドの概念・24%)で問われるのが「クラウド移行のメリットと戦略」です。試験では移行戦略の7つのR(セブンアール)と、導入全体を計画する枠組みAWS CAF(Cloud Adoption Framework)、そして大量データの移行方法(DBレプリケーションやAWS Snowball)が繰り返し登場します。初めての方でも図でイメージできるよう、やさしく整理しました。全体像は CLF対策トップ へ。

なぜクラウドへ移行するのか(移行のメリット)
オンプレミス(自社で持つサーバーやデータセンター)には、機器の購入・保守・故障対応など重い負担がつきものです。AWSへ移行すると、こうした運用を任せられ、必要な分だけ使う形に変えられます。AWS公式は移行の価値を次の4つで説明しています。
- 事業リスクの低減:可用性やセキュリティが高まり、障害・情報漏えいなどのリスクを下げられる
- ESG(環境・社会・ガバナンス)の改善:効率的なデータセンターの利用で環境負荷を抑えられる
- 収益の増加:新サービスを素早く立ち上げられ、ビジネスの成長を後押しする
- 運用効率の向上:保守の手間が減り、人手を本来の開発・改善に回せる
移行のメリットは「事業リスク低減・ESG改善・収益増・運用効率」の4つで覚えると、CAFの説明ともつながって迷いにくくなります。
AWS CAF(クラウド導入フレームワーク)とは
AWS CAF(Cloud Adoption Framework)は、クラウド導入を行き当たりばったりにせず、計画的に進めるための“道しるべ”です。「技術さえ移せばよい」ではなく、ビジネスや人・仕組みまで含めて6つの視点で準備すべきことを整理してくれます。

6つの視点は、大きく「ビジネス寄りの3つ」と「技術寄りの3つ」に分けると覚えやすいです。
- ビジネス:ITへの投資を事業の目標に結びつける
- 人材(ピープル):組織・役割・スキルをクラウド時代に合わせて育てる
- ガバナンス:投資対効果やリスクを管理し、統制をきかせる
- プラットフォーム:クラウド上に必要なIT基盤を構築する
- セキュリティ:データやシステムを守る仕組みを確保する
- 運用(オペレーション):日々の稼働・監視・改善を回す
ポイント:CAFは「組織としてクラウド導入をどう進めるか」の計画フレーム。個々のシステムの設計指針であるWell-Architected(6本の柱)とは役割が違う、と押さえておきましょう。
移行戦略の「7つのR」
いざシステムをクラウドへ移すとき、その移し方には7つのパターン(7つのR)があります。全部を丸暗記する必要はありませんが、「そのまま移す・作り直す・買い替える・残す・捨てる」の違いがわかると、試験の選択肢を絞りやすくなります。
| 戦略(R) | やること | 具体例 |
|---|---|---|
| リホスト(Rehost) | 変更せずそのまま移設(リフト&シフト) | 自社サーバーをそのままEC2へ載せ替え |
| リプラットフォーム(Replatform) | 少し手を加えて最適化して移す | 自前DBをマネージドのRDSへ載せ替え |
| リパーチェス(Repurchase) | 別製品・SaaSへ買い替える | 自作の業務ソフトをSaaSへ乗り換え |
| リファクタリング(Refactor) | クラウド向けに作り直す | 大きな一枚岩をサーバーレスへ再設計 |
| リテイン(Retain) | 今は移さず当面そのまま残す | 事情があり当面オンプレに保持 |
| リタイア(Retire) | 使わないものは移さず廃止する | 不要になった古いシステムを停止 |
| リロケート(Relocate) | 環境ごとそのまま再配置する | VMware基盤をそのままAWSへ移す |
まぎらわしいのがリテイン(残す)とリタイア(捨てる)。「テイン=てもとに残す」「タイア=おつかれさまで引退」とイメージで区別すると忘れにくいです。
大量データの移行方法(DBレプリケーションとSnow Family)
移行では「大量のデータをどうやってAWSへ運ぶか」も問われます。基本は2通り。データ量やネット回線の状況で使い分けます。

- ネットワーク経由(DBレプリケーションなど):インターネットや専用線でデータを送る方法。稼働中のDBを複製(レプリケーション)しながら少しずつ移せば、停止時間を短くできます。データ量が現実的で回線に余裕があるときに向きます。
- 物理デバイス(AWS Snow Family):AWS Snowballなどの頑丈な保管デバイスにデータを入れ、物理的に輸送してAWSに取り込む方法。数十TB〜PB級の大容量で、ネット転送だと時間もコストもかかりすぎる場合や、回線が細い拠点で有効です。
「回線でいけそう?」→ ネットワーク移行。「大量すぎて回線では非現実的」→ Snowball(物理輸送)。データベースの移行ではDMS/SCTという専用ツールも使われます。
確認クイズ
Q1. アプリを変更せず、そのままAWSへ移設する移行戦略はどれですか?
Q2. 自社に数百TBのデータがあり、回線が細くネット転送では何週間もかかる。適切な移行手段は?
Q3. AWS CAF(Cloud Adoption Framework)の説明として正しいものは?
Q4. 使われなくなった不要な古いシステムを、移行せずに廃止する戦略はどれ?
よくある質問(FAQ)
Q. 7つのRは全部暗記が必要ですか?
A. 丸暗記までは不要です。リホスト(そのまま移す)・リファクタリング(作り直す)・リパーチェス(買い替える)の違いと、リテイン(残す)とリタイア(廃止)の区別を押さえれば、CLFの選択肢はたいてい絞れます。
Q. CAFとWell-Architectedはどう違う?
A. CAFは「組織としてクラウド導入をどう進めるか」の計画フレーム(6つの視点)、Well-Architectedは「個々のシステムをどう良く設計するか」の指針(6本の柱)です。段階と対象が違うと覚えましょう。
Q. AWS Snowballはどんなときに使う?
A. データが大容量すぎてネット転送では時間・コストがかかりすぎる場合や、回線が細い・不安定な拠点のときです。頑丈な物理デバイスにデータを入れて輸送し、AWS側で取り込みます。
まとめ
- クラウド移行の価値は事業リスク低減・ESG改善・収益増・運用効率の4つ
- AWS CAF=クラウド導入を6つの視点(ビジネス/人材/ガバナンス/プラットフォーム/セキュリティ/運用)で計画する枠組み
- 移行戦略は7つのR。まずリホスト(そのまま移す)、混同注意はリテイン(残す)とリタイア(廃止)
- 大量データはネットワーク移行かSnowball(物理輸送)を、回線とデータ量で使い分ける
- ➡ 出題範囲の地図:CLF-C02シラバス完全マップ
- ➡ 関連:データベース(RDS/Aurora/DynamoDBとDMS・SCT)
- ➡ 関連:ストレージ(S3/EBS/EFS)/ネットワーク(VPC)
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※本記事はAWS公式試験ガイド(CLF-C02)および各サービスの公開ドキュメントに基づき、エンジニアKが作成しています。サービス仕様は更新されることがあるため、最新は必ずAWS公式でご確認ください。本サイトはAmazon Web Services, Inc.の公式サイトではありません。AWSは同社の商標です。



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