AWS認定AIプラクティショナー(AIF-C01)のドメイン5「セキュリティ・コンプラ・ガバナンス」(配点14%)は、AWS固有の知識が問われる差がつきやすい分野です。この記事では責任共有モデルを出発点に、IAM・暗号化・Macie・PrivateLinkなどAIシステムの基本的な守り方を整理します。攻撃対策の Guardrails、運用面の ガバナンス もあわせてどうぞ。
出発点:責任共有モデル

クラウドのセキュリティは、AWSと利用者で役割を分担します。これが責任共有モデルです。
- AWSの責任=「クラウド自体(of the cloud)」:物理データセンター、サーバー、ネットワーク基盤など
- 利用者の責任=「クラウドの中(in the cloud)」:自分のデータ、アクセス権限(IAM)、暗号化設定、アプリの構成など
BedrockやSageMakerのようなマネージドサービスでも、データの管理・暗号化・権限設定は利用者の責任である点が重要です。
AIシステムを守る基本対策

- IAM(最小権限):人やサービスに必要最小限の権限だけを与える
- 暗号化(AWS KMS):データを保存時・通信時ともに暗号化(鍵はKMSで管理)
- Amazon Macie:学習データが入るAmazon S3の個人情報(PII)を自動検出
- AWS PrivateLink / VPCエンドポイント:Bedrock等への通信を公開インターネットに出さずAWS内で完結
- Amazon GuardDuty:ログを分析して脅威を継続検知
- Amazon Inspector:脆弱性を自動スキャン
さらに、データの来歴(どこから来たデータか)を記録し、SageMaker Model Cardsでモデルを文書化しておくと、監査やトラブル対応に役立ちます。
AI固有の脅威と生成AIセキュリティスコーピングマトリクス
- プロンプトインジェクション:入力で指示を乗っ取る攻撃 → Bedrock Guardrailsで対策
- データポイズニング:学習データを汚染する攻撃 → データの出所管理・品質チェックで防ぐ(Guardrailsの対象外)
AWSは生成AIの責任分担を整理する生成AIセキュリティスコーピングマトリクスを提供しています。スコープ1(消費者向けアプリ)→2(企業向けアプリ)→3(事前学習モデル)→4(ファインチューニング)→5(自前で学習)と進むほど、利用者が負うセキュリティ責任が大きくなるという考え方です。
- 責任共有モデル=AWS:クラウド自体/利用者:クラウドの中(データ・権限・暗号化)
- 最小権限=IAM/暗号化=KMS/S3のPII検出=Macie/通信を非公開=PrivateLink
- 脅威検知=GuardDuty/脆弱性=Inspector
- スコーピングマトリクスは自前度が上がるほど利用者責任が増す
確認クイズ
Q1. ある企業がフルマネージドのAmazon Bedrockで社内向け生成AIを構築する。責任共有モデルにおいて『利用者(顧客)の責任』に必ず含まれるのはどれか?
Q2. 機械学習の学習データを保管するAmazon S3バケットに、氏名やクレジットカード番号などの個人情報(PII)が紛れ込んでいないかを自動で検出・分類したい。最適なサービスは?
Q3. VPC内のアプリからAmazon Bedrockを呼び出す際、通信を一切インターネットに出さずAWSネットワーク内に閉じたい。最適な方法は?
よくある質問(FAQ)
Q. GuardDutyとInspectorとMacieの違いは?
A. GuardDuty=脅威の検知(不審な挙動)、Inspector=脆弱性の検査(弱点のスキャン)、Macie=S3の個人情報の検出。守る対象が違うとセットで覚えましょう。
Q. データポイズニングはGuardrailsで防げますか?
A. いいえ。Guardrailsは入出力の検査が役割で、学習データの汚染は別の脅威です。データの出所管理・品質チェック・アクセス制御で防ぎます。
Q. スコーピングマトリクスは何のため?
A. 生成AIの使い方(既製アプリ〜自前学習)ごとに、セキュリティ上どこまでが利用者の責任かを整理するためのフレームワークです。
まとめ
- 責任共有モデル=AWS:クラウド自体/利用者:クラウドの中(データ・権限・暗号化)
- IAM・KMS・Macie(PII)・PrivateLink(非公開通信)・GuardDuty・Inspectorが基本の守り
- AI固有脅威=プロンプトインジェクション/データポイズニング。スコーピングマトリクスで責任を整理
※本記事はAWS公式試験ガイド(AIF-C01)およびAWSセキュリティ関連ドキュメントに基づき、エンジニアKが作成しています。サービス仕様は更新されるため、最新は公式情報をご確認ください。



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