AWS認定AIプラクティショナー(AIF-C01)のドメイン3「基盤モデルの応用」で頻出なのが、基盤モデルを自社用途に寄せるカスタマイズの手法です。中でも「ファインチューニングとRAGはどう違う?」は定番の問い。この記事で、事前学習/継続事前学習/ファインチューニング/蒸留の関係と、コスト順の使い分けを整理します。設計全体は FMアプリ設計 もどうぞ。
モデルを賢くする4つの方法(コスト順)

- ① インコンテキスト学習:プロンプトに例や情報を入れて誘導。再学習なし・最も手軽(→ Few-shot等)
- ② RAG:外部文書を検索して根拠として与える。最新・社内の「知識」を足したいとき。モデルは変えない(→ RAG解説)
- ③ ファインチューニング:ラベル付きデータでモデルを追加学習し、口調・形式など「振る舞い」を変える。中〜高コスト
- ④ 継続事前学習/事前学習:大量データで土台から学習。継続事前学習はラベルなしの専門分野テキストで知識を底上げ。事前学習はゼロから作るため最も高コスト(通常は自前で行わない)
事前学習・継続事前学習・ファインチューニング・蒸留

言葉が似ていて混乱しやすいので、定義を押さえましょう(AWSのAmazon Bedrockではモデルカスタマイズとして提供されます)。
| 手法 | 使うデータ | 目的 |
|---|---|---|
| 事前学習 | 超大量のテキスト | 汎用的な土台モデルをゼロから作る |
| 継続事前学習 | ラベルなしの専門分野テキスト | 特定ドメインの知識を底上げ(ドメイン適応) |
| ファインチューニング | ラベル付き(指示と望む回答のペア) | 特定タスクや口調・形式への適応(指示チューニング) |
| 蒸留(Distillation) | 大きい「教師」モデルの出力 | 小さく速く安い「生徒」モデルへ知識を移す |
関連用語として、人間の好み(ランキング)を学習させて出力を整えるRLHF(人間のフィードバックによる強化学習)もあります。AWSではSageMaker等で実現でき、対話の自然さや安全性の向上に使われます。
- 知識を足す=RAG/振る舞いを変える=ファインチューニング(最重要の使い分け)
- ファインチューニング=ラベル付き/継続事前学習=ラベルなしのドメインテキスト
- 蒸留=大→小へ知識移転(安く速く)。RLHF=人の好みで調整
- 手軽さ順:インコンテキスト学習<RAG<ファインチューニング<事前学習
結論:RAGとファインチューニングの使い分け
試験でも実務でも、判断軸はシンプルです。
- 最新情報・社内文書など「知識」を答えに反映したい → RAG(再学習不要。文書を差し替えれば最新化でき、出典も示せる)
- 特定の口調・出力形式・専門タスクなど「振る舞い」を固定したい → ファインチューニング
- まず手早く試したい → インコンテキスト学習(Few-shot)
AWSも「まずRAGから検討」を推奨しています。両者は排他ではなく、ファインチューニングで振る舞いを整えつつRAGで知識を足すといった併用も有効です。なお、ファインチューニングで作ったカスタムモデルをBedrockで推論するには、原則プロビジョンドスループットの購入が必要な点も押さえておきましょう(一部モデルはオンデマンド対応も拡大中)。
確認クイズ
Q1. 毎日更新される製品カタログの最新情報を正確に答えさせたい。再学習は避けたい。最適なのは?
Q2. ラベルなしの大量の専門分野テキストで、モデルの土台知識をドメインに底上げする手法は?
Q3. 大きく高性能な『教師』モデルの知識を、小さく速く安い『生徒』モデルに移す手法は?
よくある質問(FAQ)
Q. ファインチューニングとRAG、結局どちらを使えばいい?
A. 合言葉は「知識を足すならRAG、振る舞いを変えるならファインチューニング」。最新性・出典が要るならRAG、決まった口調や形式で答えさせたいならファインチューニング。迷ったら手軽なRAGから始めましょう。
Q. 指示チューニング(instruction tuning)とは?
A. 「指示に従う」能力を高めるためのファインチューニングの一種です。指示文と望ましい回答のペアで学習させ、ユーザーの指示にうまく応答できるようにします。
Q. ファインチューニングに必要なデータは?
A. 質の高いラベル付きデータ(プロンプトと望む回答のペア)を用意します。量より質が重要で、偏りのない代表的なデータを揃えることが成功の鍵です。
まとめ
- 知識を足す=RAG/振る舞いを変える=ファインチューニング
- ファインチューニング=ラベル付き、継続事前学習=ラベルなしドメイン、蒸留=大→小
- 手軽さ順にインコンテキスト学習<RAG<ファインチューニング<事前学習。まずRAGから
※本記事はAWS公式試験ガイド(AIF-C01)およびAmazon Bedrockモデルカスタマイズ公式ドキュメントに基づき、エンジニアKが作成しています。提供形態は更新されるため、最新は公式ドキュメントをご確認ください。



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